如法念仏作法について
〈如法念仏作法〉とは
浄土系の念仏会式の形態のひとつであり、念仏を中心に讃を称え、懺悔を行う作法です。
仏座の周囲を繞道し浄土を願生する法会の規式が示された善導大師の『法事讃』に依っていますが、『法事讃』での『阿弥陀経』の読誦を「八句念仏甲・乙」等の念仏に置き換え、懺悔には『往生礼讃』の文を用いて勤められます。
具体的な次第は、主として召請讃・三礼・三奉請・召請偈・八句念仏甲乙・広懺悔・略懺悔・悲喜交偈・三礼文の順となっています。
現在よく唱えられている先請伽陀や三奉請などには、この如法念仏作法の「召請讃」の譜が用いられており、如法回向も、この作法から取り入れられたものです。
〈如法念仏作法〉の歴史
如法念仏は、法然上人の時代より別事念仏の一形式として勤められていたことが窺われ、室町期にはおおむね現在の形式が出来上がっていたようです。西本願寺では、江戸時代より宗祖の御遠忌に勤められており、興正寺においても文久元年(1861)に桃園天皇百回忌において如法念仏が勤められ、それ以後、度々法要で用いられています。以後、声明集などには収録されてきましたが、本山の法要で勤められるのは昭和56年の本昭上人七回忌以来のこととなります。
天台声明の伝統を多く残している興正派においては、〈如法念仏作法〉は伝承していきたい法会作法のひとつです。

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